平成27年度病院情報このページを印刷する - 平成27年度病院情報

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1106 126 136 198 211 324 465 576 571 160
 

《以下、集計方法と定義》

平成27年4月1日から平成28年3月31日までのDPC対象退院患者。
入院後24時間以内に死亡した患者、又は生後一週間以内に死亡した新生児は集計対象外。
臓器移植を行った患者は集計対象外。
集計の対象患者は、「健康保険(生保含む)」のみの使用で入院費が支払われた患者になります。
「自費」、「労災」、「自賠責」など「健康保険」以外で入院費を一部でも支払われた患者は集計除外になります。
 

《解説》

平成27年度のDPC対象の退院患者数は3,873人となっています。
総合周産期母子医療センターを有する当院は未熟児・新生児医療が充実しており、0~9歳の患者さんは28.6%を占めます。
幅広い年齢層の患者さんに入院されておりますが、10歳未満を除きますと、次に多い年齢層は70~79歳で576人でした。
少子高齢化の時代といわれておりますが、60歳以上の患者さんの割合は45.8%で1,772人となっております。
また、DPC集計の対象外患者数は1,103人となっておりました。
20歳代~40歳代では742人となっており、お産に関わる入院の患者さんが大半を占めています。
その他、事故や仕事中の怪我などに関わる入院が集計除外となっております。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)

内 科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上)手術なし 手術・処置等2なし 87 15.8 14.3 14.9% 74.6  
100070xxxxxxxx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 43 17.4 15.3 4.7% 65.6  
150020xxxxx0xx 細菌性腸炎手術・処置等2なし 39 8.6 7.3 0.0% 51.1  

《解説》

当科では、肺炎や気管支炎が最も多く、中でも誤嚥性肺炎は3割以上を占めており、高齢に伴う嚥下機能の低下で罹患される方が多くなっております。
このような患者さんの中には、病状回復後も自立した生活が困難な方も居られ、転院や施設入所などになる場合も多いですが、地域の病院・施設と連携し患者さんに負担の少ない医療の提供を心掛けております。
次いで多いのが糖尿病です。食事療法や薬による治療、合併症の検査行うとともに、それぞれの方に必要な糖尿病について知識を身につけて頂く事が出来ます。糖尿病コーディネートナース(佐賀糖尿病療養指導士)を通じて近隣の医療機関とも連携し、地域ぐるみで治療を進めています。
その他には疾患が細分化されているため順位を下げておりますが悪性腫瘍も多く診療しております。
中でも肝・肝内胆管の悪性腫瘍が多く、慢性肝炎から肝硬変およびその合併症である食道静脈瘤、肝細胞癌について診断から治療まで医療機器を駆使し高度な診療を行っています。
手術の必要性がある場合は、外科と連携し治療を行っていきます。また、外来化学療法や緩和ケアにも対応しており、患者さんにとって最善の選択・治療が出来るよう心掛けています。

 

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
050130xx99000x 心不全手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 12 20.4 18.3 8.3% 83.3  
050070xx99000x 頻脈性不整脈手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 7 4.1 7.3 0.0% 76.1  
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上)手術なし 手術・処置等2なし 5 15.2 14.3 0.0% 87.0  

《解説》

当科では心不全や虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、弁膜症、真菌症、不整脈などの心疾患や生活習慣病である高血圧や高脂血症などの診断と治療を行っています。
日本人の死因第2位循環器疾患であり、中でも虚血性心疾患は生活習慣病から進展することが多く、当科では早期診断を心掛けています。
多種の検査機器を使用し診断治療を行うと共に、早期リハビリや栄養管理・指導を行うことで、早期回復を目標としています。

 

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上)手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 249 9.9 6.2 4.8% 0  
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満)手術・処置等2なし 186 5.8 5.7 0.0% 2.8  
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満)手術なし 手術・処置等2なし 140 20.0 11.6 0.0% 0  

《解説》

当院が総合周産期母子医療センターでもあることから、新生児の入院が多く、妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害が上位となっております。
疾患が細分化されているため上記には現れておりませんが、1500g未満の新生児入院も39件となっており、佐賀県内の大多数の受け入れを行っております。
次いで小児(15才未満)の肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎の疾患となっており、呼吸器関連の疾患(喘息、上気道炎、インフルエンザ、ウイルス性肺炎、呼吸不全など)を合わせますと320件となっております。
当科では、未熟児新生児医療を中心とし、乳児期(発育、発達検診を含む)から学童期までの一般小児内科の診療を行っています。未熟児の集中管理やドクターズカーの運用による赤ちゃんと母体に優しい搬送の推進など、周産期医療の向上にチーム医療で取り組んでいます。

 

外 科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
090010xx99x40x 乳房の悪性腫瘍手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 97 8.1 4.7 0.0% 61.1  
060335xx0200xx 胆嚢水腫、胆嚢炎等腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 37 8.8 7.8 0.0% 56.3  
060150xx03xx0x 虫垂炎虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 副傷病なし 30 6.2 5.6 0.0% 32.9  

《解説》

外科では当院の診療の二本柱のひとつ、がん診療に力を入れています。主に消化器癌(胃癌、大腸癌など)乳癌に対し手術療法のみならず、化学療法、放射線療法から緩和医療まで病状に応じた集学的治療を一貫して担当いたします。
また、急性腹症として緊急に手術が必要な場合にも、早急に対応し患者さんが早く社会復帰できるように合併症の少ない手術を心掛けております。
内科との連携により内視鏡治療から鏡視下手術まで適応に応じて低侵襲な治療も行っております。

 

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折人工骨頭挿入術 肩、股等 112 29.0 28.7 82.1% 83.8  
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)手術なし 副傷病なし 50 25.0 21.5 64.0% 75.8  
160760xx97xx0x 前腕の骨折手術あり 副傷病なし 34 7.8 5.7 0.0% 63.8  

《解説》

当科は年々増加する大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折や骨粗鬆性脊椎骨折などの高齢者の救急外傷、その他交通外傷・労災外傷の受け入れを常日頃努力しております。
外傷の緊急手術や手術目的でご紹介頂いた患者さんに迅速に対応し、エビデンスに基づく(根拠に基づく医療)治療方針のもと、早期機能回復に努めています。患者さんごとの症例に応じて病院、又は診療所との連携を通じ、術後リハビリの役割分担を図りながらADL(人間の基本的な日常生活動作)の獲得、QOL(生活の質)の向上を目指しております。

 

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
120170xx99x0xx 早産、切迫早産手術なし 手術・処置等2なし 42 18.0 20.9 2.4% 29.1  
120140xxxxxxxx 流産 15 1.9 2.3 6.7% 35.8  
120165xx99xxxx 妊娠合併症等手術なし 10 20.4 12.2 0.0% 31.7  

《解説》

当科は健康保険と自費の併用が多く、お産に係る入院などはDPC集計の対象から除外されるため、上記の結果となっております。
自然分娩以外で、集計対象外の患者さんも含めて見ますと、最も多い疾患は胎児及び胎児付属物の異常で271件、次いで、早産、切迫早産が179件、妊娠高血圧症候群関連疾患が70件、妊娠中の糖尿病が35件の順となっております。
上記集計には現れていませんが、当院の特性上、母体の合併症による妊娠高血圧症候群、双児妊娠、胎児発育遅延、胎児心臓病などの胎児異常例を多く診療しており、ハイリスク妊娠の方にも安心して妊娠分娩して頂ける診療体制を取っております。
佐賀県内の多くの異常妊娠分娩を取り扱う総合周産期医療センターとして、母児共に安心してより安全なお産を提供することを目指しています。

 

形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 26 4.7 4.4 0.0% 25.4  
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。)四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 22 9.0 6.1 0.0% 55.3  
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。)その他の手術あり 手術・処置等1なし 16 7.5 5.1 0.0% 50.2  

《解説》

当科では顔面をはじめとして体表面の先天性あるいは後天性の形態および機能異常を、外科的手段で健常近くに修復を行う診療科です。
集計では皮膚・皮下腫瘍が最も多く、次いで眼瞼下垂症となっております。
当院の基本理念である「成育医療」と「がん」を診療の柱としており、先天性形態異常の治療、腫瘍切除後の組織修復(乳房再建を含む)などに重点を置いて治療を行っております。
乳房再建につきましては、自家組織再建、人工乳房(インプラント)いずれも当院では力を入れて取り組んでいます。

 

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
11012xxx020x0x 上部尿路疾患経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 58 6.3 5.9 0.0% 57.8  
110070xx0200xx 膀胱腫瘍膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 33 8.8 7.6 0.0% 70.6  
11012xxx040x0x 上部尿路疾患体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 手術・処置等1なし 副傷病なし 32 2.0 2.9 0.0% 51.5  

《解説》

当科に入院される方で最多の疾患は腎結石・尿管結石などの尿路結石症です。
痛みや発熱などの苦痛の治療を最優先とし、必要に応じ、内視鏡的手術(レーザー砕石)・体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を多数行っています。
2番目に多い疾患は膀胱癌で、主に内視鏡的手術を行っていますが、進行癌に対しては膀胱全摘出術・化学療法・放射線療法を組み合わせ癌撲滅に取り組んでいます。
その他、前立腺癌の精密検査・手術・緩和医療目的、腎臓疾患に対する低侵襲腹腔鏡手術目的、前立腺肥大症に対する手術目的の患者さんが多く入院されています。

 

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 47 4.2 4.4 0.0% 56.7  
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 17 11.1 9.0 5.9% 73.2  
080011xx99xxxx 急性膿皮症手術なし 17 12.5 12.0 0.0% 60.6  

《解説》

当科では、手術目的の入院を中心に、帯状疱疹といったウイルス感染症、蜂窩織炎や丹毒などの皮膚感染症の患者さんが多く入院されます。
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスの感染で、免疫力が低下した際に発症します。
神経の支配領域に沿って、左右どちらかに発症しますが、稀に汎発疹といって神経支配領域以外の部位にも皮疹が出現することがあり、個室での管理が必要となります。早期治療が十分でないと、神経痛が残る場合もあり、皮疹が重症で痛みが強い場合は入院治療をおすすめしています。
蜂窩織炎や丹毒などの感染症は、いずれも外来治療では治療効果不十分な重症例を入院治療しております。
また、重症薬疹などの治療も入院で行っており、皮膚癌の早期発見および治療にも力を入れております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 32 7 13 20 1 18 1 6
大腸癌 7 9 3 2 2 24 1 6
乳癌 5 9 18 9 0 23 1 6
肺癌 35 75 42 13 1 51 1 6
肝癌 1 1 1 0 1 1 1 6
1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

《解説》

(胃がん)
胃がんは、早い段階で自覚症状が出ることは少なく、かなり進行しても無症状の場合があります。
早期胃がんは、多くの患者さんが検診によって発見されています。症状の有無に関わらず、定期的に検診を受けることが、早期発見のために最も重要なことです。

(肝がん)
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、初期には自覚症状がほとんどありません。肝炎ウイルス検査を受けなかったため自分が肝炎に罹っていることを知らず、医療機関での定期的な検診や精密検査、他の病気の検査の時に、たまたま肝がんが発見されることもすくなからずあります。年齢別に見た肝臓癌の罹患率は、男性では45歳、女性では55歳から増加し始め、70歳代に横ばいとなります。

(大腸がん)
大腸がんは、長さ約2mの大腸(盲腸・結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、S状結腸と直腸にできやすいといわれています。
早期の段階では自覚症状は乏しく、多い症状としては、血便、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腰痛、貧血、原因不明の体重減少などがあります。

(乳がん)
乳房は体表面に位置するため乳房腫瘤の自覚によって乳がんを発見されることが最も多くなっております。また、検診マンモグラフィの普及により、早期発見される症例も増えてきております。

(肺がん)
原発性肺がんは治りにくいがんのひとつに数えられております。病期別にみると最も治療成績がよいのは完全切除が期待できるstage I であり、stage IIIA 以上になると手術適応から外れることが多くなります。
症状がなくても健康診断を受け、胸部エックス線写真や、胸部CT で早期の肺がんを発見し、迅速に診断、治療を行うことが治療成績向上の鍵となります。

上記5大癌について、当院では手術療法のみならず、化学療法、放射線療法から緩和医療まで病状に応じた集学的治療を行っています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

  患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 11 6.9 36.1
重症度 1 36 19.1 78.9
重症度 2 26 15.3 83.4
重症度 3 12 27.5 84.9
重症度 4 2 9.0 92.0
重症度 5 0 - -
不明 67 4.8 5.1

《解説》

齢者の肺炎が増加しており、特に慢性呼吸器疾患をお持ちの患者さんは繰り返し肺炎に罹患される方もいらっしゃいます。高齢で合併症を有する肺炎は重症化の危険性も高く、適切な抗生剤の使用や酸素投与などの支持療法が大切となります。また長期入院に伴う廃用性の筋力・体力低下を防ぐため、なるべく早期の理学療法(リハビリテーション)導入を心がけております。

《定義》

入院の契機となった傷病名および最も医療資源を投入した傷病名がDPCコード040080(肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎)にあたるものを集計。

脳梗塞のICD10別患者数等

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 - - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 - - - - -
I63$ 脳梗塞 - 4 35.8 88.5 75.0%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,
脳梗塞に至らなかったもの
- - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らな
かったもの
- - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> - - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 - - - - -

《解説》

現在(2016年9月末時点)脳神経外科については外来診療のみとなっているため、入院治療が必要となる患者さんについては他医療機関と連携し転院をさせて頂いております。そのため上記の結果となっております。

《定義》

最も医療資源を投入した傷病のICD10別に集計。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)

内 科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 24 2.2 13.8 12.5% 80.6  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 19 2.2 16.9 15.8% 73.4  
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 16 1.7 11.4 6.3% 71.9  

《解説》

当科で最も手術が多いのは血管塞栓術で、これは主に肝細胞癌に対して行われる手術です。 次いで多いのは内視鏡的胆道ステント留置術です。腫瘍や結石性胆のう炎などによる胆道閉塞に対する手術です。 これら疾患の手術は外科への転科が多く、上記内科の集計には反映されておりませんが、年間で100例ほど実施しております。 3番目に多いのは、内視鏡的粘膜切除術となっております。胃・十二指腸潰瘍の上部内視鏡以外にも、結腸など下部内視鏡も行っており、ポリープや早期癌の切除術など数多く行っております。

 

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K597-2 ペースメーカー交換術 5 8.2 11.8 20.0% 85.2  

《解説》

当科の手術例は上記のようになっております。
検査としては、運動負荷心電図(エルゴメーター等)、長時間心電図(ホルター心電図)、心臓超音波検査(心エコー)、心臓MRI等の非侵襲的検査を外来にて行い、各種心疾患の診断と治療方針の決定を行っています。
冠状動脈造影やカテーテル治療手術などの、侵襲を伴う検査や治療が必要な患者さんには、速やかに他病院との連携を図っています。

 

小児科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 13 0 57.8 0.0% 0  
K2762 網膜光凝固術(その他特殊) 6 43.3 108.2 0.0% 0  
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 4 0 72.0 25.0% 0  

《解説》

当院では、総合周産期母子医療センターを有しており、そのため未熟児の新生児も多く、当科での手術で最も多いのは、新生児仮死に対しての処置となっています。次いで、網膜光凝固術の順となっております。

 

外 科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 51 1.0 7.4 0.0% 56.4  
K7181 虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 30 0.1 5.1 0.0% 32.9  
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 24 2.5 18.3 0.0% 63.2  

《解説》

当院ではガイドラインの推奨に従って、胆石症や急性胆嚢炎ではできるだけ早期に治療を開始するように心掛けており、虫垂炎や胆嚢炎などの近隣の施設からの紹介も増えております。乳癌では乳房を温存したり形成外科との連携により乳房再建術も行っております。

 

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 76 7.1 20.4 76.3% 83.5  
K0811 人工骨頭挿入術(股) 38 6.2 21.4 84.2% 83.3  
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕、下腿) 36 0.9 3.4 0.0% 58.6  

《解説》

当科では、骨折に対する骨折観血的手術や人工骨頭挿入術が上位に来ています。
骨内異物除去術とは、手術時に骨の固定のために埋め込んでいたプレートなどを取り除く手術になります。
全体的に転院率が高くなっておりますが、これは当院が急性期病院のため、症状が安定した患者さんはリハビリのある回復期病院へ転院していただいており、医療機能を分担し地域医療連携を積極的に図っているためです。

 

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K861 子宮内膜掻爬術 11 0.2 1.0 0.0% 44.4  
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 11 0.2 0.7 0.0% 36.9  
K9062 子宮頸管縫縮術(シロッカー法) 5 2.2 15.2 0.0% 34.6  

《解説》

当科は健康保険と自費併用の方が多く、DPC集計対象から外れている方が多いため、上記の結果となっております。
但し、当科で行っている全ての手術を集計すると、帝王切開術が257件と最も多く、平成27年度の分娩数603件のうち、42.6%を占めています。これは救急車等による緊急母体搬送を年間172件受けているため高い率になっております。
婦人科としては、主に良性疾患を対象とし年間50件の手術を行っています。主な術式としては、子宮頚部の前がん病変に対する子宮頚部円錐切除、内膜ポリープなどに対する子宮鏡下手術等です。
県内の多くの異常妊娠分娩を取り扱っており、佐賀県の総合周産期母子医療センターとして大きな責務を果たしていると考えております。

 

形成外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹) 23 0.4 8.1 0.0% 55.0  
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 16 0.3 2.9 0.0% 26.1  
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上) 10 0.4 5.9 0.0% 52.5  

《解説》

当科では、四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術が23件と上位の症例数となっております。部位別では、躯幹、肩、大腿の順になっています。
次いで、皮膚、皮下腫瘍摘出術となっておりますが、大きさや部位によって細分化されているため順位を下げておりますが、合計すると53件となり最も症例の多いものとなっております。入院期間は腫瘍の大きさや、露出部か露出部以外であるか、また合併症の有無によって異なります。
その他の手術では、眼瞼下垂症手術は合計15件となっております。また、多汗症、腋臭症手術が保険適応となり、昨年度は9件施行しております。

 

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 55 1.5 9.3 1.8% 71.5  
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 53 1.3 3.9 0.0% 57.8  
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 34 0 1.3 0.0% 51.4  

《解説》

泌尿器科手術で最多は膀胱癌に対する内視鏡的手術です。比較的身体への負担が少ない手術ですので、外来受診されてからできるだけお待たせせず手術計画を組むことを心がけています。 次に多い手術は尿路結石に対する手術です。「安全・確実」の観点から内視鏡手術と体外衝撃波手術のどちらかを選択しお勧めしています。
上記以外でも包茎・陰嚢の小手術から、前立腺肥大症手術、先進的腹腔鏡手術、膀胱癌や前立腺癌に対する大規模手術まで多くの手術を行っています。

 

皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 14 0.1 2.6 0.0% 60.6  
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 13 0 7.1 0.0% 83.6  
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満) 13 0 1.3 0.0% 64.8  

《解説》

当科での入院手術は、主に皮膚腫瘍切除(皮膚良性腫瘍が対象)と皮膚悪性腫瘍切除術(皮膚悪性腫瘍が対象)を行っています。
皮膚腫瘍の診断は、臨床所見だけでなく、非侵襲性のダーモスコピー検査(※)、病理組織検査を用いて行っています。事前の診察で皮膚良性腫瘍が疑われた場合でも、必ず摘出した腫瘍の病理組織検査を行い、良性・悪性の確認および診断を行い、患者さんにご説明しています。 また、腫瘍摘出の前には、皮膚生検を行う事もあります。特に皮膚悪性腫瘍の場合は事前に皮膚生検を行う事で、組織型や悪性度を確認します。悪性度によって切除範囲が決まりますので、非常に重要な検査となります。

※ダーモスコピー検査:光線で皮膚を照射し、10~20倍の拡大像を観察する非侵襲性の診断機器です。脂漏性角化症や基底細胞癌の診断に非常に有用で、高い診断感度が得られます。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 17 0.44%
異なる - -

《解説》

医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症について、入院契機病名と医療資源を最も投入した傷病名の同一性の有無を区別して患者数と発症率を示しています。

手術・処置等の合併症では、自院術後の創部発赤や滲出液、内視鏡的粘膜切除術後の出血、および他院からの紹介などが該当しておりました。

医療安全管理室や感染対策室などが中心となって、発生を防ぐよう日々努力しております。

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