平成28年度病院情報このページを印刷する - 平成28年度病院情報

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 998 140 119 229 182 237 518 550 582 189

《以下、共通集計・公開条件》

  1. 平成28年4月1日から平成29年3月31日までの退院患者において集計。
  2. 集計の対象患者は、「健康保険(生活保護受給者含む)」のみの使用で入院費が支払われた患者。
  3. 「自費診療を伴う分娩・帝王切開」や「労災」、「自賠責」適用など、「健康保険」以外で入院費を一部でも支払われた患者は集計対象外。
  4. 入院後24時間以内に死亡した患者、又は生後一週間以内に死亡した新生児は集計対象外。
  5. 臓器移植を行った患者は集計対象外。
  6. 入院した時点の年齢にて表示。
  7. 患者数が10名未満については、個人情報保護のため表示しておりません。(”-”(ハイフン)にて表示)

《解説》

平成28年度の上記集計対象の退院患者数は3,744人となっています。
当院は、「総合周産期母子医療センター」、「地域医療支援病院」の指定を受けており、周産期医療、急性期医療を中心に幅広い年齢の患者さんに提供しています。

患者さんの年齢構成を見ますと、未熟児・新生児医療が充実しているため、0~9歳の患者さんが全体の26.7%を占めます。
これは総合周産期母子医療センターとして、佐賀県全域からハイリスク妊娠・分娩の妊婦さんを受入れ、早産、低出生体重児などの診療を多く行っているためです。
次に多い年齢層は80~89歳でした。60歳以上の患者さんでまとめてみますと、全体の49.1%となり約半数の割合となっております。

また、上の表には現れておりませんが集計対象外患者数は1,054人となっておりました。 内訳としては、お産に関わる入院の患者さんが大半を占めており、20歳代~40歳代では706人となっております。
その他、事故や仕事中の怪我などに関わる入院が集計除外となっております。

年齢別に傷病の頻度を見てみますと、 10歳未満では、早産に関わる新生児の低出産体重児や、気管支炎・喘息などの呼吸器系疾患、ウイルス性腸炎の頻度が高くなっています。
10代では、ガングリオンなどの腫瘤摘出や肺炎、虫垂炎が多くなっています。
20代では、出産や妊娠中の疾患関係が最も多く、急性アルコール中毒や尿管結石症が多くなっています。
30代では、20代と同じく出産や妊娠中の疾患関係が最も多く挙がっていますが、妊娠高血圧症候群関連疾患の割合が高くなっています。その他、尿管結石症や皮膚の良性腫瘍摘出、憩室炎など多種多様です。
40代では、妊娠中の疾患関係や尿管結石症が多く、皮膚や骨軟部の良性腫瘍摘出が目立ちます。またこの年代から乳がんが増え始めます。 50代では、乳がんが最も多く、次いで足の骨折、尿管結石症となっています。
60代では、50代の疾患に加え、胃や大腸、前立腺、膀胱などのがん疾患が多くなっています。また、前腕の骨折や胆のう炎、鼠径ヘルニアも目立ちます。
70代では、60代とほぼ同じ傾向ですが、全体的にがん疾患の割合が高くなっています。また、大腿骨や胸腰椎の圧迫骨折が増え始めます。
80代以上の高齢になると、骨粗鬆症を伴う大腿骨骨折や胸腰椎の圧迫骨折の割合が高くなっており、肺炎や心不全も多くなっています。

 

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内 科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)その他の手術あり 手術・処置等2なし 34 12.3 11.7 8.8% 77.2  
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし A-DROP スコア2 31 16.0 15.3 6.5% 86.8  
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 26 14.0 11.1 19.2% 71.9  
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患手術なし 26 6.5 7.9 0.0% 49.7  
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 22 21.8 21.3 36.4% 83.6  

《解説》

当科では、肝・肝内胆管癌の悪性腫瘍が多く、慢性肝炎から肝硬変及びその合併症である食道静脈瘤、肝細胞癌について診断から治療まで医療機器を駆使し、高度な診療を行っています。また、外来化学療法や緩和ケアに対応しており、患者さんにとって最善の選択・治療ができるよう心がけています。

上の表では、2番目になっていますが、肺炎・気管支炎等(誤嚥性肺炎・細菌性肺炎・ウイルス性肺炎・急性気管支炎等)を合計すると、122件と当科で最も多くなっています。
中でも誤嚥性肺炎が多くを占めており、高齢に伴う嚥下機能の低下で罹患される方がいらっしゃいます。歯科医師と連携し、摂食・口腔ケアに努めています。このような患者さんの中には、病状回復後も自立した生活が困難な方も居られますので、地域の病院・施設と連携し患者さんやご家族に負担の少ない医療の提供を心掛けています。

胆管結石については、表に現れていないものを合わせますと、31件となっています。結石が胆管にある場合は、内視鏡で取り除くことができます。手術の必要性がある場合は、外科と連携し治療を行っていきます。

その他には、疾患が細分化されているため表には現れていませんが、糖尿病が55件となっており、内科では2番目に多くなっています。 食事療法や薬による治療・合併症の検査を行うと共に、それぞれの方に必要な糖尿病についての知識を身につけて頂くことができます。当院糖尿病コーディネートナース(佐賀糖尿病療法指導士)を通じて、近隣の医療機関とも連携し、地域ぐるみで治療を進めています。
 

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 22 21.9 18.0 9.1% 83.2  
050130xx9901xx 心不全手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-1あり - - 19.9 - -  
050130xx97000x 心不全その他の手術あり 手術・処置等1-なし、1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 24.6 - -  
110320xx99xxxx 腎、泌尿器の疾患(その他)手術なし - - 9.6 - -  
050050xx99000x 狭心症、慢性虚血性心疾患手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 6.8 - -  

《解説》

当科では心不全や虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、弁膜症、心筋症、不整脈などの心疾患や、生活習慣病である高血圧症や高脂血症などの診断と治療を行っています。

日本人の死因第2位は心疾患(平成27年統計)となっており、中でも虚血性心疾患は生活習慣病からの原因が多く、当科では早期診断を心掛けています。

多種の検査機器を使用し診断治療を行うと共に、早期リハビリや栄養管理・指導を行うことで、早期回復を目標としています。

 

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上)手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 217 10.5 6.2 3.2% 0  
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満)手術なし 手術・処置等2なし 131 20.4 11.6 1.5% 0  
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)副傷病なし 89 5.4 6.0 0.0% 0.9  
040100xxxxx00x 喘息手術・処置等2なし 副傷病なし 59 5.8 6.4 1.7% 3.0  
140010x299x2xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満)手術なし 手術・処置等2-2あり 46 32.4 27.3 0.0% 0  

《解説》

当院が総合周産期母子医療センターでもあることから、新生児の入院が多く、妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害が上位を占めております。

疾患が細分化されているため上記の患者数には含まれておりませんが、1500g未満の新生児入院も44件となっており、佐賀県内の大多数の受け入れを行っております。

次いで小児(15才未満)の肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症の疾患となっており、呼吸器関連の疾患(肺炎、喘息、上気道炎、インフルエンザ、ウイルス性肺炎、呼吸不全など)を合わせますと284件となっております。

当科では、新生児・未熟児医療を中心とし、乳児期(発育、発達検診を含む)から学童期までの一般小児内科の診療を行っています。未熟児の集中管理やドクターズカーの運用による赤ちゃんと母体に優しい搬送の推進など、周産期医療の向上にチーム医療で取り組んでいます。

 

外 科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx99x40x 乳房の悪性腫瘍手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 45 5.9 4.6 0.0% 57.4  
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 42 10.1 7.6 0.0% 61.9  
060150xx03xxxx 虫垂炎虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 31 6.6 5.6 0.0% 30.6  
06007xxx99040x 膵臓、脾臓の腫瘍手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 21 6.0 11.7 0.0% 59.2  
060020xx99x30x 胃の悪性腫瘍手術なし 手術・処置等2-3あり 副傷病なし 20 2.5 6.9 0.0% 67.9  

《解説》

外科では当院の診療の二本柱のひとつ、がん診療に力を入れています。主に乳癌や消化器癌(胃癌、大腸癌など)に対し手術療法のみならず、化学療法、放射線療法から緩和医療まで病状に応じた集学的治療を一貫して行っております。

また、急性腹症として緊急に手術が必要な場合にも、早急に対応し患者さんが早く社会復帰できるように合併症の少ない手術を心掛けております。

形成外科と連携し、乳癌手術後の乳房欠損に対する乳房再建術や、内科との連携による内視鏡治療から鏡視下手術まで適応に応じて低侵襲な治療も行っております。

 

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折人工骨頭挿入術 肩、股等 143 26.2 27.6 77.6% 84.0  
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)手術なし 副傷病なし 73 23.7 20.6 58.9% 79.7  
160760xx97xx0x 前腕の骨折手術あり 副傷病なし 60 14.0 5.5 3.3% 66.4  
160850xx97xx0x 足関節・足部の骨折、脱臼その他の手術あり 副傷病なし 24 8.4 9.9 0.0% 53.3  
160820xx01xxxx 膝関節周辺骨折・脱臼骨折観血的手術等 19 53.6 28.2 26.3% 70.2  

《解説》

当科は年々増加する大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折や骨粗鬆性脊椎骨折などの高齢者の救急外傷、その他交通外傷・労災外傷の受け入れを常日頃努力しております。

外傷の緊急手術や手術目的でご紹介頂いた患者さんに迅速に対応し、エビデンスに基づく(根拠に基づく医療)治療方針のもと、早期機能回復に努め、患者さんごとの症例に応じて病院、又は診療所との連携を通じ、術後リハビリの役割分担を図りながらADL(人間の基本的な日常生活動作)の獲得、QOL(生活の質)の向上を目指しております。

 

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120170xx99x0xx 早産、切迫早産手術なし 手術・処置等2なし 42 18.0 20.8 4.8% 33.2  
120140xxxxxxxx 流産 22 2.3 2.4 0.0% 37.5  
120180xx02xxxx 胎児及び胎児付属物の異常骨盤位娩出術等 12 10.8 8.5 0.0% 34.0  
120150xx99xxxx 妊娠早期の出血手術なし 10 19.2 12.8 0.0% 28.2  
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病手術なし 10 8.4 6.0 0.0% 33.9  

《解説》

当科は、健康保険と自費併用の患者さんが多く、お産に関わる入院はほぼ集計対象外となるため、今回の全国統一の集計対象から外れる患者さんが多く、上記表は産婦人科全体の約20%の件数結果となっております。

内訳としては、今回の診断群分類別患者数の集計対象となった数は150件で、対象外となった数は646件となっており、実態とは大きく異なっておりますのでご留意願います。

自然分娩以外で、当科で行っている全ての症例を集計してみますと、最も多い疾患は胎児及び胎児付属物の異常で264件、次いで、早産、切迫早産が182件、妊娠高血圧症候群関連疾患が71件、妊娠中の糖尿病が30件の順となっております。

上記集計には現れていませんが、当院の特性上、母体の合併症による妊娠高血圧症候群、双児妊娠、胎児発育遅延、胎児心臓病などの胎児異常例を多く診療しており。ハイリスク妊娠の方にも安心して妊娠・分娩して頂ける診療体制を取っております。

佐賀県内の多くの異常妊娠分娩を取り扱う総合周産期医療センターとして、母児共に安心してより安全なお産を提供することを目指しています。

 

形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 39 5.5 4.3 0.0% 33.2  
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。)四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 24 10.5 5.9 0.0% 48.8  
020230xx97x0xx 眼瞼下垂手術あり 手術・処置等2なし 12 7.8 3.4 0.0% 65.6  
070380xx01xxxx ガングリオン関節滑膜切除術等 10 9.5 5.1 0.0% 53.7  
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。)その他の手術あり 手術・処置等1なし - - 5.1 - -  

《解説》

当科では、顔面をはじめとして体表面の先天性あるいは後天性の形態および機能異常を、外科的手段で健常近くに修復を行う診療科です。 集計では皮膚・皮下腫瘍が最も多く、次いで骨軟部の良性腫瘍、眼瞼下垂症となっております。

当院の基本理念である「成育医療」と「がん」を診療の柱としており、先天性形態異常の治療、腫瘍切除後の組織修復(乳房再建を含む)などに重点を置いて治療を行っております。 乳房再建につきましては、自家組織再建、人工乳房(インプラント)いずれも当院では力を入れて取り組んでいます。

 

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx020x0x 上部尿路疾患経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 60 6.9 5.8 0.0% 65.1  
11012xxx99xx0x 上部尿路疾患手術なし 副傷病なし 28 3.6 5.3 0.0% 50.1  
110070xx0200xx 膀胱腫瘍膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 16 7.3 7.4 0.0% 69.2  
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等経尿道的前立腺手術 14 19.3 10.0 0.0% 76.0  
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患その他の手術あり 副傷病なし 12 7.3 7.1 0.0% 60.0  

《解説》

当科に入院される方で最多の疾患は腎結石・尿管結石などの尿路結石症です。
痛みや発熱などの苦痛に対する治療を最優先とし、必要に応じ、内視鏡的手術(レーザー砕石)・体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を多数行っています。

次いで多いのが上部尿路疾患、膀胱腫瘍の順になっています。膀胱悪性腫瘍に対しては、主に内視鏡的手術を行っていますが、進行癌に対しては膀胱全摘出術・化学療法・放射線療法を組み合わせ癌撲滅に取り組んでいます。

その他、前立腺癌の精密検査・手術・緩和医療目的、腎臓疾患に対する低侵襲腹腔鏡手術目的、前立腺肥大症に対する手術目的の患者さんが多く入院されています。

 

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 41 10.8 9.0 4.9% 65.5  
080011xx99xxxx 急性膿皮症手術なし 33 12.9 12.0 9.1% 65.1  
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外)皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 23 7.9 8.8 4.3% 77.9  
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 13 3.0 4.3 0.0% 53.4  
100100xx99x0xx 糖尿病足病変手術なし 手術・処置等2なし - - 23.4 - -  

《解説》

当科では、帯状疱疹といったウイルス感染症、蜂窩織炎や丹毒などの皮膚感染症の患者さんが多く入院されています。

帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスの感染で、免疫力が低下した際に発症します。
神経の支配領域に沿って、左右どちらかに発症しますが、稀に汎発疹といって神経支配領域以外の部位にも皮疹が出現することがあり、個室での管理が必要となります。早期治療が十分でないと、神経痛が残る場合もあり、皮疹が重症で痛みが強い場合は入院治療をおすすめしています。

蜂窩織炎や丹毒などの感染症は、いずれも外来治療では治療効果不十分な重症の患者さんを入院治療しております。
また、薬疹などの治療も入院で行っており、皮膚癌の早期発見および治療にも力を入れております。
 

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 33 18 42 2 14
大腸癌 11 43 12 2 7
乳癌 43 33 13 63 1 7
肺癌 2 7
肝癌 38 2 5
1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 

《集計・公開条件》

  1. 平成28年4月から平成29年3月に退院した患者において集計。
  2. 5大がん(胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん・肝がん)を対象症例とし初発・再発症例を分けて集計。
  3. 初発症例の病期分類は、日本国内の各学会で定めたがん取扱い規約に基づいて集計。
  4. 患者数の集計は延患者数とする。  ※例えば一連の治療期間に複数回の入退院を繰り返した場合、繰り返した回数分を件数として集計。
  5. 患者数が10名未満については、個人情報保護のため表示しておりません。(”-”(ハイフン)にて表示)

《解説》

全国的に罹患数の多い5大がん(胃がん・大腸がん・肝臓がん・肺がん・乳がん)のStage(病期分類)ごとの症例について集計しました。各ステージの低い方から高くなるにつれて、がんの進行度が進んでいることを表しています。治療法は臓器やステージによって異なります。

(胃がん)
胃がんは、早い段階で自覚症状が出ることは少なく、かなり進行しても無症状の場合があります。 早期胃がんは、多くの患者さんが検診によって発見されています。症状の有無に関わらず、定期的に検診を受けることが、早期発見のために最も重要なことです。StageIの段階では、大半が内視鏡で切除することが可能です。

(大腸がん)
大腸がんは、長さ約2mの大腸(盲腸・結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、S状結腸と直腸にできやすいと言われています。 早期の段階では自覚症状は乏しく、多い症状としては、血便、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腰痛、貧血、原因不明の体重減少などがあります。StageIの段階では、大半が内視鏡で切除することが可能です。

(乳がん)
乳房は体表面に位置するため乳房腫瘤の自覚によって乳がんを発見されることが最も多くなっております。また、検診マンモグラフィの普及により、早期発見される症例も増えてきております。治療法は手術・化学療法・放射線療法などがあり全身状態や病変の広がりにより選択されます。

(肺がん)
原発性肺がんは治りにくいがんのひとつに数えられております。病期別にみると最も治療成績がよいのは完全切除が期待できるStageIであり、StageIII以上になると手術適応から外れることが多くなります。
症状がなくても健康診断を受け、胸部エックス線写真や、胸部CT で早期の肺がんを発見し、迅速に診断、治療を行うことが治療成績向上の鍵となります。

(肝がん)
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、初期には自覚症状がほとんどありません。肝炎ウイルス検査を受けなかったため自分が肝炎に罹っていることを知らず、医療機関での定期的な検診や精密検査、他の病気の検査の時に、たまたま肝がんが発見されることも少なからずあります。年齢別に見た肝臓癌の罹患率は、男性では45歳、女性では55歳から増加し始め、70歳代に横ばいとなります。治療法は手術・ラジオ波焼灼療法・塞栓療法などになります。

上記5大がんについて、当院では手術療法のみならず、化学療法、放射線療法から緩和医療まで病状に応じた集学的治療を行っています。
早期に発見された患者さんでは、体の負担を軽減するような治療法が可能となっています。
StageIVや再発で手術が不可能な場合は、抗癌剤や放射線治療を組み合わせた治療が行われます。 がん患者さんの悩み相談から治療にいたるまで幅広いサポート体制を整えています。
各臓器、各Stageによって治療の選択肢はたくさんあります。担当医師と相談のうえ、最適な治療を受けていただきたいと思います。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 10 11.5 46.1
中等症 73 16.0 77.8
重症 42 18.2 84.0
超重症
不明 55 5.9 4.2

《集計・公開条件》

  1. 平成28年4月から平成29年3月に退院した患者において集計。
  2. 市中肺炎ガイドラインによる重症度分類(A-DROPスコア)に基づき集計。
  3. ウイルスが原因として起こる肺炎・誤嚥による誤嚥性肺炎は除く。
  4. 患者数が10名未満については、個人情報保護のため表示しておりません。(”-”(ハイフン)にて表示)

【A-DROPスコアについて】
以下の項目で構成されており、該当する項目が多いほど重症度が高くなります。
A(年齢):男性70歳以上、女性75歳以上
D(脱水):BUN 21mg/dl以上または脱水あり
R(経皮的動脈血酸素飽和度):SpO2<=90%(PaO2 60Torr以下)
O(意識障害):意識障害あり
P(収縮期血圧):収縮期血圧90mmHg以下

《解説》

上記の表は重症度の数値が高くなるにつれて、より重症な肺炎を表しています。
件数が表示されていない重症度4および5も少なからず存在しています。

当院では患者数が最も多いのは重症度2となっておりました。
重症度が上がるごとに治療に日数が掛かり、平均年齢も高くなる傾向にあります。

高齢者の肺炎が増加しており、特に慢性呼吸器疾患をお持ちの患者さんは繰り返し肺炎に罹患される方もいらっしゃいます。
高齢で合併症を有する肺炎は重症化の危険性も高く、適切な抗生剤の使用や酸素投与などの支持療法が大切となります。また長期入院に伴う廃用性の筋力・体力低下を防ぐため、なるべく早期の理学療法(リハビリテーション)導入を心がけております。

脳梗塞のICD10別患者数等

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 - - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 - - - - -
I63$ 脳梗塞 - - - - -
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,
脳梗塞に至らなかったもの
- - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> - - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 - - - - -
 

《集計・公開条件》

  1. 平成28年4月から平成29年3月に退院した患者において集計。
  2. 発症日から「3日以内」と、4日以上又は無症候性(発症日なし)を「その他」として集計。
  3. 患者数が10名未満については、個人情報保護のため表示しておりません。(”-”(ハイフン)にて表示)

《解説》

脳血管疾患は、全国の死因の上位に挙げられます。
脳梗塞は早期の治療が効果的とされ、早期の治療・リハビリテーションを開始することが重要です。

現在(2017年9月末時点)脳神経外科については外来診療のみとなっているため、入院治療が必要となる患者さんについては他医療機関と連携しご紹介をさせて頂いております。
そのため入院患者数は少なく、患者数が10未満となっているため表示しておりません。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内 科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 24 2.2 13.8 12.5% 80.6  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 19 2.2 16.9 15.8% 73.4  
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 16 1.7 11.4 6.3% 71.9  
K654 内視鏡的消化管止血術 12 5.4 12.2 25.0% 70.4  
K533-2 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 10 10 9.1 0.0% 72.9  

《解説》

当科で最も手術が多いのは、集計対象外にあたるため上記表には反映されておりませんが、内視鏡的大腸ポリープ切除術で100件ほど行っています。

次いで多いのは、血管塞栓術となっており、これは主に肝細胞癌に対して行われる手術となっています。

上部内視鏡手術では、内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術や内視鏡的胆道ステント留置術を多く行っています。
内視鏡的胆道ステント留置術は、腫瘍や結石性胆のう炎などによる胆道閉塞に対する手術です。
これら疾患の手術は外科への転科が多く、上記内科の集計には反映されておりませんが、年間で86例ほど実施しております。

 

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K597-2 ペースメーカー交換術 - - - - -  
               
               
               
               

《解説》

当科の手術例は上記のようになっております。
検査としては、長時間心電図(ホルター心電図)、心臓超音波検査(心エコー)、心臓CTなどの非侵襲的検査を外来にて行い、各種心疾患の診断と治療方針の決定を行っています。

徐脈に対しては、ペースメーカー植込み術、交換術、一時的な体外式ペーシング等を行っています。

冠状動脈造影やカテーテル治療手術などの、侵襲を伴う検査や治療が必要な患者さんには、速やかに他病院との連携を図っています。

 

小児科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 26 0.0 76.7 0.0% 0.0  
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 10 0.0 99.6 0.0% 0.0  
K2762 網膜光凝固術(その他特殊) - - - - -  
K0011 皮膚切開術(長径10cm未満) - - - - -  
K745 肛門周囲膿瘍切開術 - - - - -  

《解説》

当科での手術で最も多いのは、新生児仮死に対しての処置となっています。次いで、網膜光凝固術の順となっております。

網膜光凝固術とは、レーザー光線を網膜に当てて熱凝固する事により治療する方法で、未熟児網膜症の標準治療の第一選択として行われる手術です。
未熟児網膜症は、在胎週数(お腹の中にいた期間)や出生体重が少ないほど、網膜血管が未熟なので発生率が高く、重症になりやすい傾向があります。

当院では、総合周産期母子医療センターを有しており、未熟児の新生児も多い為、上記のような疾患の手術・治療にも力を入れています。

 

外 科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 50 1.0 7.9 2.0% 61.7  
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 21 2.4 22.6 4.8% 63.1  
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 21 0.2 5.1 0.0% 26.8  
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 11 2.9 11.7 0.0% 56.0  
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 11 2.1 22.6 0.0% 60.4  

《解説》

当院では、ガイドラインの推奨に従って、虫垂炎や胆石症・急性胆のう炎ではできるだけ早期に治療を開始するよう心掛けております。
手術に関しては、患者さんの状態に合わせて、比較的体への負担が少ない低侵襲的腹腔鏡手術を選択・治療ができるよう心掛けています。

また、乳腺専門医が2名常勤しており(平成29年10月1日現在)、乳腺悪性腫瘍手術に力を入れています。
進行度(病期ステージ)により、乳房温存や形成外科と連携し乳房再建術も行っております。

その他、ヘルニア手術や、胃・十二指腸、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆のう・胆管などの消化管疾患、および、悪性腫瘍に対する手術・治療にも力を入れています。

手術療法のみならず、化学療法や放射線治療の組み合わせを行い、計画的に治療を行っております。

 

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 111 4.6 19.5 74.8% 83.3  
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕、下腿) 44 0.9 3.5 0.0% 58.9  
K0811 人工骨頭挿入術(股) 40 6.5 22.3 72.5% 83.4  
K0462 骨折観血的手術(下腿、前腕) 36 3.8 21.8 13.9% 70.0  
K0732 関節内骨折観血的手術(手、足) 32 3.8 29.7 3.1% 60.1  

《解説》

当科では、骨折観血的手術や人工骨頭挿入術、骨内異物除去術が上位を占めています。

骨内異物除去術とは、前回手術時に骨の固定のために埋め込んでいたプレートを取り除く手術になります。

全体的に自宅以外の病院への転院率が高くなっておりますが、これは当院が急性期病院のため、症状が安定した患者さんにはリハビリに特化している回復期リハビリテーション病床等を有する病院へ転院していただいており、医療機能を分担し地域医療連携を積極的に図っているためです。

地域医療を大いに活用し、患者さんにとってより良い選択・治療が出来るよう努めております。

 

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 20 0.2 0.2 0.0% 37.2  
K9062 子宮頸管縫縮術(シロッカー法) - - - - -  
K872-3 子宮内膜ポリープ切除術 - - - - -  
K9061 子宮頸管縫縮術(マクドナルド法) - - - - -  
K9063 子宮頸管縫縮術(縫縮解除術)(チューブ抜去術) - - - - -  

《解説》

当科は、健康保険と自費併用の患者さんが多く、お産に関わる入院はほぼ集計対象外となるため、今回の全国統一の集計対象から外れる患者さんが多く、上記表は産婦人科全体の約15%の件数結果となっております。

内訳としては、今回の手術集計対象となった数は55件で、対象外となった数は331件となっており、実態とは大きく異なっておりますのでご留意願います。

当科で行っている全ての手術を集計してみますと、帝王切開術が265件と最も多く、平成28年度の分娩数571件のうち、46.4%を占めています。これは救急車等による緊急母体搬送を年間240件受けているため高い率になっております。

婦人科手術では、主に子宮頚部の前がん病変に対する子宮頚部円錐切除、内膜ポリープなどに対する子宮鏡下手術等を行っています。

県内の多くの異常妊娠分娩を取り扱っており、佐賀県の総合周産期母子医療センターとして大きな責務を果たしていると考えております。

 

形成外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹) 27 0.6 9.0 0.0% 47.0  
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 25 0.3 4.2 0.0% 34.4  
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上) 16 0.6 7.2 0.0% 31.8  
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 11 0.0 6.7 0.0% 64.8  
K0701 ガングリオン摘出術(指、手、足) - - - - -  

《解説》

当科では、四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術が27件と上位の症例数となっております。部位別では、躯幹、大腿、肩の順になっています。

次いで、皮膚、皮下腫瘍摘出術となっておりますが、大きさや部位によって細分化されているため順位を下げておりますが、上記表に現れてないものも合計すると64件となり最も症例の多いものとなっております。
入院期間は腫瘍の大きさや、露出部か露出部以外であるか、また合併症の有無によって異なります。

その他の手術では、眼瞼下垂症手術は合計12件。多汗症、腋臭症手術は8件施行しております。

 

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 53 0.9 4.9 0.0% 65.2  
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 24 2.0 9.0 0.0% 73.3  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 12 0.2 6.0 0.0% 59.8  
K8412 経尿道的前立腺手術(その他) 10 3.6 11.5 0.0% 72.9  
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 - - - - -  

《解説》

当科で行っている手術の中で最も多いのは、尿路結石に対する手術です。その中でも特に多いのは、内視鏡を用いた経尿道的尿路結石除去術(レーザー)です。また、表にありませんが、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術も行っており、「安全・確実」の観点から内視鏡手術と体外衝撃波手術のどちらかを選択しお勧めしています。

次に多い手術は、膀胱癌に対する内視鏡的手術です。比較的身体への負担が少ない手術ですので、外来受診されてからできるだけお待たせせず手術計画を組むことを心がけています。

上記以外でも包茎・陰嚢の小手術から、前立腺肥大症手術、先進的腹腔鏡手術、膀胱癌や前立腺癌に対する大規模手術まで多くの手術を行っています。

 

皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 25 0.1 6.9 4.0% 77.6  
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満) - - - - -  
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) - - - - -  
K0011 皮膚切開術(長径10cm未満) - - - - -  
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - - - - -  

《解説》

当科での入院手術は、主に皮膚腫瘍切除(皮膚良性腫瘍が対象)と皮膚悪性腫瘍術(皮膚悪性腫瘍が対象)を行っています。

皮膚腫瘍の診断は、臨床所見だけでなく、非侵襲性のダーモスコピー検査(※)、病理組織検査を用いて行っています。事前の診察で皮膚良性腫瘍が疑われた場合でも、必ず摘出した腫瘍の病理組織検査を行い、良性・悪性の確認および診断を行い、患者さんにご説明しています。

また、腫瘍摘出の前には、皮膚生検を行う事もあります。特に皮膚悪性腫瘍の場合は事前に皮膚生検を行う事で、組織型や悪性度を確認します。悪性度によって切除範囲が決まりますので、非常に重要な検査となります。

※ダーモスコピー検査:10~20倍の拡大像を観察する非侵襲性の診断機器です。悪性黒色腫や基底細胞癌の診断に非常に有用で、高い診断感度が得られます。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
 

《集計・公開条件》

  1. 平成28年4月から平成29年3月に退院した患者において集計。
  2. 今回の入院における「入院の契機(きっかけ)となった病名」と「最も医療資源を投入した病名」が同一か、異なっていたかに分け患者数・発生率を集計。
  3. 発生率を算出する分母は全退院患者とする。
  4. 症例数が10名未満については、個人情報保護のため表示しておりません。(”-”(ハイフン)にて表示)

《解説》

  • 播種性血管内凝固は、がんや白血病、感染症などが悪化し、全身の血管に小さな血栓が無数に生じる病態で、腎臓や肺などの臓器障害を起こす全身性の重篤な病態です。
  • 敗血症は、感染症が全身の血管や組織に広がることで起こる全身性炎症反応の重症な病態です。
  • 手術・処置などの合併症は、手術や処置に伴い一定割合で発生してしまう術後出血や創部感染などの病態であり、医療ミスとは異なります。

重症な疾患である上記の傷病について、入院契機病名と医療資源を最も投入した傷病名の同一性の有無を区別して患者数と発症率を集計しております。

上表について、各項目の集計が10未満でしたので表示しておりませんが、少なからず存在しております。

手術・処置等の合併症では、人工股関節のゆるみによる再置換術や脱臼による整復術。 自院術後の創部発赤や滲出液。予防接種後の発熱。そのほか他院からの紹介によるものが該当しておりました。

がんや感染症などで入院した後に、状態が悪化しこれらの傷病に至るケースは一定の確率で発生します。しかし、医療の質の観点から、少しでも入院中の発症を減少させることが望まれる傷病です。 当院では医療安全室や感染対策室などが中心となって、発生を防ぐよう日々努力しております。
 

更新履歴

平成29年9月25日 平成28年度版 病院指標を公開しました。