令和6年度病院情報このページを印刷する - 令和6年度病院情報

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 464 113 133 200 216 311 552 969 732 284

《以下、共通集計・公開条件》

1)2024年6月1日から2025年5月31日までの退院患者において集計。
2)集計の対象患者は、「健康保険(生活保護受給者含む)」のみの使用で入院費が支払われた患者。
3)「自費診療を伴う分娩・帝王切開」や「労災」、「自賠責」適用など、「健康保険」以外で入院費を一部でも支払われた患者は集計対象外。
4)入院後24時間以内に死亡した患者、又は生後一週間以内に死亡した新生児は集計対象外。
5)臓器移植を行った患者は集計対象外。
6)入院した時点の年齢にて表示。
7)患者数が10名未満については、個人情報保護のため表示しておりません。(”-”(ハイフン)にて表示)
 

《解説》

2024年度の上記集計対象の退院患者数は3974人となっています。

また、上の表には現れておりませんが集計対象外患者数は1117人となっておりました。
内訳としては、自費診療を伴う分娩や事故・仕事中の怪我などに関わる入院については集計除外となっております。
10歳未満では、384人が集計対象外となっており、多くは自費診療を伴うものの理由で集計除外となっております。
20歳代~40歳代では878人が集計対象外となっており、その中でもお産に関わる入院の患者さんが大半を占めておりました。

当院は、「総合周産期母子医療センター」、「地域医療支援病院」の指定を受けており、周産期医療、急性期医療を中心に幅広い年齢の患者さんに提供しています。
患者さんの年齢構成を見ますと、未熟児・新生児医療が充実しているため、0~9歳の患者さんが、集計対象の464人・集計対象外の384人を含めると、全体で16.7%の割合となっています。
これは総合周産期母子医療センターとして、佐賀県全域からハイリスク妊娠・分娩の妊婦さんを受入れ、早産、低出生体重児などの診療を多く行っているためです。
一番多い年齢層は70~79歳でした。60歳以上の患者さんをまとめてみますと全体の約半数を占めております。

集計対象者を年齢別に傷病の頻度を見てみますと、
10歳未満では、昨年に引き続き早産に関わる新生児の低出産体重児や、喘息・RSウイルス気管支炎などの呼吸器系疾患の頻度が高くなっています。その他検査入院が多くありました。
10代では、皮膚の良性腫瘍の切除術、上肢の骨折・脱臼などの外傷、急性腸炎など急性の消化器系の疾患、虫垂炎、肺炎、腋臭症の手術が多くを占めています。
20代では、早産、切迫早産などお産や胎児の発育に関わる入院が最も多く、次いで急性アルコール中毒、虫垂炎や急性腸炎、皮膚の良性腫瘍の切除術が多くなっています。
30代では、20代と同様に早産、切迫早産が最も多くなっています。20代と比べ子宮頚管無力症や妊娠高血圧など母体、分娩管理を必要とする疾患。および産褥期を中心とする疾患の割合が高くなっています。その他、虫垂炎や尿管結石症など見受けられます。
40代では、乳がんが最も多く、次いで尿管結石の割合が高くなっております。皮膚の良性腫瘍の切除術や虫垂炎、胆のう炎の手術が続いて多くなっています。30代以前には見受けられなかった食道、胃、十二指腸、大腸などの良性疾患で内視鏡手術が増えています。
50代では、同様に乳がんが最も多く、次いで尿管結石、大腸ポリープが最も多くなっています。皮膚の良性腫瘍の切除術や胆のう炎・胆管炎の手術が多くなっています。
60代では、こちらも同様に乳がんが最も多く、次いで加齢に伴い大腸の内視鏡手術の割合が高くなっていますが、50代までには見られなかった悪性腫瘍がその約半数を占めておりました。その他、白内障、胆嚢炎、前腕、足の骨折、虫垂炎、鼠径ヘルニアの手術も見られます。
70代では、大腸がんが最も多く、次いで乳がんとなり、胃がんや膵がん、前立腺がん、白内障などが増加傾向となっています。また、高齢者に多く見られる疾患で大腿骨骨折が増えています。
80代以上では、70代と比較し大腿骨骨折や圧迫骨折が多く、高齢による骨粗鬆症の影響が見受けられます。次いで肺炎および新型コロナ感染症などの呼吸器疾患が一気に多くなっています。また、日常生活動作の低下に伴い誤嚥性肺炎や尿路感染症が増加傾向にあります。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内 科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 76 1.93 2.57 0.00% 69.80  
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 55 12.40 8.88 3.64% 72.29  
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 44 18.00 16.40 20.45% 84.98  
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 36 24.53 13.66 22.22% 74.42  
060390xxxxx0xx 細菌性腸炎 手術・処置等2なし 30 9.57 7.42 3.33% 49.37  
当科での入院患者の最も多い疾患は、小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む)で、大部分が大腸ポリープに対する内視鏡的治療を施行した患者様で、食道、胃十二指腸、他腸の炎症で、鎮静下内視鏡で検査入院した患者様も含まれます。
次に多い疾患は、胆管結石、胆管炎などの胆道系疾患で、胆のう摘出術が主となっています。低侵襲性の腹腔鏡下での手術を行っています。
その他の疾患では、肺炎、腎盂腎炎などの尿路感染症、細菌性腸炎が上位に挙がっています。

細菌性肺炎(誤嚥性肺炎も含む)なども多い疾患の一つですが、DPCでは分類が細分化しており、表には現れておりません。胆道系疾患では、胆管炎は内科治療の適応ですが、胆嚢炎で手術の適応がある場合は、外科と連携し治療を行っていきます。
また、当科では糖尿病にも力を入れており、食事療法や薬による治療・合併症の検査を行うと共に、それぞれの方に必要な糖尿病についての知識を身につけて頂く、教育入院なども行っております。当院糖尿病コーディネートナースを通じて、近隣の医療機関とも連携し、地域ぐるみで治療を進めています。
その他、胃癌・大腸癌・肝臓癌・胆管癌・膵臓癌などの悪性腫瘍も、総合的に精査・治療を行っており、外来化学療法、放射線治療、緩和治療にも対応しており、患者様にとって最善の選択・治療ができるよう心がけています。
 

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 59 6.61 6.11 3.39% 0.00  
100250xx99x10x 下垂体機能低下症 手術なし 手術・処置等2-1あり 副傷病なし 26 2.08 3.03 0.00% 5.12  
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 24 7.42 6.22 0.00% 1.46  
010200xx99x00x 水頭症 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 23 1.17 6.44 0.00% 0.83  
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 21 5.71 5.61 0.00% 4.29  
当院が総合周産期母子医療センターでもあることから、新生児の入院が多く、妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害が上位を占めております。
疾患が細分化されているため上記の患者数には表れておりませんが、1500g未満の新生児入院も35件となっており、佐賀県内の極低出生体重児を多数受け入れております。
次いで小児(15才未満)の肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症の疾患となっており、呼吸器関連の疾患(肺炎、喘息、上気道炎、インフルエンザ、ウイルス性肺炎、呼吸不全など)を合わせますと111件となっております。
当科では、未熟児新生児医療を中心とし、乳児期(発育、発達検診を含む)から学童期までの一般小児内科の診療を行っています。
未熟児の集中管理やドクターズカーの運用による赤ちゃんと母体に優しい搬送の推進など、周産期医療の向上にチーム医療で取り組んでいます。
 

外 科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 56 10.63 7.05 0.00% 66.34  
060035xx99x5xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-5あり 47 2.94 4.42 0.00% 72.06  
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 44 9.84 4.54 0.00% 71.32  
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-4あり 43 3.51 3.64 0.00% 61.91  
060035xx99x4xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-4あり 37 3.14 4.18 0.00% 73.35  
外科では、当院の診療の二本柱のひとつであるがん診療に力を入れています。
主に乳癌や消化器癌(胃癌、大腸癌、肝胆膵癌など)に対し、手術療法のみならず、化学療法、放射線療法から緩和医療まで病状に応じた治療を一貫して担当いたします。
乳癌においては乳房温存手術や形成外科との連携による乳房再建術を積極的に行っています。
消化器癌では、常に内科との緊密な連携を行い、患者さんの病状や希望に沿って個々の適切な手術を提案・提供しております。
(消化器癌の治療は内科・外科の連携が極めて重要です)
上記表では胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術、鼠径ヘルニア手術が多く挙がっております。
また、急性腹症などの緊急に手術が必要な場合にも、早急に対応し患者さんが早く社会復帰できるように合併症の少ない手術を心掛けております。
 

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 158 38.32 25.29 57.59% 85.28  
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 47 32.64 19.16 51.06% 80.49  
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 42 14.52 5.95 2.38% 67.40  
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 30 39.43 17.84 10.00% 57.47  
160760xx02xxxx 前腕の骨折 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿等 26 4.81 3.06 0.00% 56.54  
当科は年々増加する高齢者の救急外傷(大腿骨近位部骨折、脊椎椎体骨折、橈骨遠位端骨折など)に対応し、再骨折の予防のための骨粗鬆症治療も行っています。また、交通外傷、労災外傷なども受け入れており、地域医療に貢献できる様に日々努力しています。

外傷の緊急手術や手術目的でご紹介頂いた患者さんに迅速に対応し、エビデンスに基づく(根拠に基づく医療)治療方針のもと、早期機能回復に努め、患者さひとり一人の状態・環境に応じて病院、又は診療所との連携を通じ、術後リハビリの役割分担を図りながらADL(基本的な日常生活動作)の獲得、QOL(生活の質)の向上を目指しております。
 

形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 32 6.16 3.77 3.13% 39.69  
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術・処置等1なし 29 9.14 4.65 0.00% 50.45  
080220xx97xxxx エクリン汗腺の障害、アポクリン汗腺の障害 手術あり 19 11.32 6.41 0.00% 36.05  
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 15 4.33 2.74 0.00% 70.27  
070380xx97xxxx ガングリオン 手術あり - 6.33 4.14 0.00% 61.22  
当科では顔面をはじめとして体表面の先天性あるいは後天性の形態および機能異常を、外科的手段で健常近くに修復を行う診療科です。
集計では、表に現れていないものも合計すると骨軟部の良性腫瘍が最も多く、次いで皮膚・皮下腫瘍、腋臭症、眼瞼下垂、ガングリオンとなっております。

当院の基本理念である「成育医療」と「がん」を診療の柱としており、先天性形態異常の治療、腫瘍切除後の組織修復(乳房再建を含む)などに重点を置いて治療を行っております。
乳房再建につきましては、自家組織再建、人工乳房(インプラント)いずれも当院では力を入れて取り組んでいます。
 

眼 科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 79 2.01 2.49 0.00% 72.05  
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり 片眼 2.00 4.83 0.00% 83.00  
020250xx97xxxx 結膜の障害 その他の手術あり 2.00 2.81 0.00% 74.00  
160250xxxx0xxx 眼損傷 手術・処置等1なし 2.00 4.52 0.00% 72.00  
               
眼科では、目に関する一般的な診療を主に外来にて行っています。
当科の入院は、手術目的の入院になっています。

その他、他科入院の疾患でも、眼に合併症が生じるもの(糖尿病、帯状疱疹、未熟児等)の
眼に関する診察や治療を行っています。
 

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 37 15.59 12.98 5.41% 70.73  
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 26 11.12 9.33 0.00% 68.42  
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 25 3.80 3.77 0.00% 54.00  
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 18 10.89 6.92 0.00% 84.89  
080007xx97xxxx 皮膚の良性新生物 その他の手術あり 3.78 5.54 0.00% 48.67  
当科で最も多い疾患は、膿皮症,帯状疱疹といった感染症の順となっています。
皮膚細菌感染症は、いずれも外来治療では治療効果不十分な重症例を入院治療しております。
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスの感染で、免疫力が低下した際に発症します。
神経の支配領域に沿って、左右どちらかに発症しますが、稀に汎発疹といって神経支配領域以外の部位にも皮疹が出現することがあり、個室での管理が必要となります。早期治療が十分でないと、神経痛が残る場合もあり、皮疹が重症で痛みが強い場合は入院治療をおすすめしています。
また、薬疹などの治療も入院で行っており、皮膚癌の早期発見および治療にも力を入れております。
 

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 副傷病なし 70 6.51 5.16 0.00% 62.44  
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 38 2.21 2.45 0.00% 72.95  
11012xxx99xxxx 上部尿路疾患 手術なし 26 3.54 7.95 0.00% 55.38  
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 20 8.75 6.81 0.00% 67.80  
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 20 2.50 2.40 0.00% 53.90  
当科に入院される方で最多の疾患は上部尿路疾患です。
その中でも、尿路結石症が特に多く、まずは痛みや発熱などの苦痛に対する治療を最優先とし、必要に応じ内視鏡的手術(レーザー砕石)・体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を多数行っています。

次いで多いのが前立腺の悪性腫瘍、膀胱腫瘍の順になっています。
前立腺癌に対しては、手術療法・化学療法・放射線療法・ホルモン療法と幅広い選択肢を御提示しています。
さらに、御希望に応じてロボット支援手術や重粒子線治療施設への御紹介なども行っています。

膀胱悪性腫瘍に対しては、主に内視鏡的手術を行っていますが、進行癌に対しては膀胱悪性腫瘍手術・化学療法・放射線療法を組み合わせ、癌撲滅に取り組んでいます。

その他、下部尿路疾患(膀胱結石など)に対する異物摘出術、腎臓疾患に対する低侵襲腹腔鏡手術目的、前立腺肥大症に対する手術目的の患者さんが多く入院されています。
 

産 科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし 22 27.50 19.47 0.00% 30.59  
120140xxxxxxxx 流産 10 2.00 2.44 0.00% 38.50  
120165xx99xxxx 妊娠合併症等 手術なし 22.13 10.29 0.00% 32.13  
120180xx02xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 骨盤位娩出術等 5.50 7.88 0.00% 31.75  
120150xx99xxxx 妊娠早期の出血 手術なし 9.57 9.75 14.29% 32.86  
分娩は健康保険適用外の部分があるため、この全国統一の集計対象外となっています。よって上記表は産婦人科入院患者全体の約20%の件数になります。

内訳としては、集計対象が143件、対象外が669件となっており、実態とは大きく異なっておりますのでご留意願います。

正期経腟分娩以外で、当科で行っている全ての症例を集計してみますと、最も多い疾患は胎児及び胎児付属物の異常(帝王切開の経歴がある方の妊娠・骨盤位・胎児発達遅延・前期破水・分娩日超過・羊水過少症等)で178件、次いで、早産、切迫早産が183件、分娩の異常129件、妊娠高血圧症候群関連疾患が66件、妊娠中の糖尿病が34件の順となっております。

このように上記集計には現れていませんが、当院の特性上、母体の合併症による妊娠高血圧症候群、双胎妊娠、胎児発育不全、胎児心臓病などの胎児異常例を多く診療しており、ハイリスク妊娠の方にも安心して妊娠分娩して頂ける診療体制を取っております。

佐賀県内の多くの異常妊娠分娩を取り扱う総合周産期医療センターとして、母児共に安心してより安全なお産を提供することを目指しています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 11 - 33 10 - - 2 6,7
大腸癌 11 63 56 66 - 45 1 6,7,8
乳癌 39 60 42 35 - 23 2 6,7
肺癌 - - - - - - 1 6
肝癌 - - - - - - 2 6,7,8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
《集計・公開条件》
1)2024年6月から2025年5月に退院した患者において集計。
2)5大がん(胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん・肝がん)を対象症例とし初発・再発症例を分けて集計。
3)初発症例の病期分類は、日本国内の各学会で定めたがん取扱い規約に基づいて集計。
4)病期分類基準については、「1」をUICC病期分類、「2」を癌取扱い規約で表示。
5)患者数の集計は延患者数とする。
 ※例えば一連の治療期間に複数回の入退院を繰り返した場合、繰り返した回数分を件数として集計。
6)患者数が10名未満については、個人情報保護のため表示しておりません。(”-”(ハイフン)にて表示)

《解説》
全国的に罹患数の多い5大がん(胃がん・大腸がん・肝臓がん・肺がん・乳がん)のStage(病期分類)ごとの症例について集計しました。各ステージの低い方から高くなるにつれて、がんの進行度が進んでいることを表しています。治療法は臓器やステージによって異なります。

(胃がん)
胃がんは、早い段階で自覚症状が出ることは少なく、かなり進行しても無症状の場合があります。
早期胃がんは、多くの患者さんが検診によって発見されています。症状の有無に関わらず、定期的に検診を受けることが、早期発見のために最も重要なことです。Stage I の段階では、大半が内視鏡で切除することが可能です。

(大腸がん)
大腸がんは、長さ約2mの大腸(盲腸・結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、S状結腸と直腸にできやすいと言われています。
早期の段階では自覚症状は乏しく、多い症状としては、血便、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腰痛、貧血、原因不明の体重減少などがあります。Stage I の段階では、大半が内視鏡で切除することが可能です。

(乳がん)
乳房は体表面に位置するため乳房腫瘤(しこり)の自覚によって乳がんを発見されることが最も多くなっております。また、検診マンモグラフィの普及により、早期発見される症例も増えてきております。治療法は手術・化学療法・放射線療法などがあり全身状態や病変の広がりにより選択されます。

(肺がん)
原発性肺がんは治りにくいがんのひとつに数えられております。病期別にみると最も治療成績がよいのは完全切除が期待できるStage I であり、StageIII以上になると手術適応から外れることが多くなります。
症状がなくても健康診断を受け、胸部エックス線写真や、胸部CT検査で早期の肺がんを発見し、迅速に診断、治療を行うことが治療成績向上の鍵となります。
患者数が10名未満の為上記の表には現れておりませんが、少なからずおられます。

(肝がん)
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、初期には自覚症状がほとんどありません。肝炎ウイルス検査を受けなかったため自分が肝炎に罹っていることを知らず、医療機関での定期的な検診や精密検査、他の病気の検査の時に、たまたま肝がんが発見されることも少なからずあります。年齢別に見た肝臓癌の罹患率は、男性では45歳、女性では55歳から増加し始め、70歳代に横ばいとなります。治療法は手術・ラジオ波焼灼療法・塞栓療法などになります。

上記5大がんについて、当院では手術療法のみならず、化学療法、放射線療法から緩和医療まで病状に応じた集学的治療を行っています。
早期に発見された患者さんでは、体の負担を軽減するような治療法が可能となっています。StageIVや再発で手術が不可能な場合は、抗癌剤や放射線治療を組み合わせた治療が行われます。
がん患者さんの悩み相談から治療にいたるまで幅広いサポート体制を整えています。
各臓器、各Stageによって治療の選択肢はたくさんあります。担当医師と相談のうえ、最適な治療を受けていただきたいと思います。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 20 9.05 52.85
中等症 62 15.98 81.61
重症 - 22.43 88.00
超重症 - 31.67 83.00
不明 - - -
《集計・公開条件》
1)2024年6月から2025年5月に退院した患者において集計。
2)市中肺炎ガイドラインによる重症度分類(A-DROPスコア)に基づき集計。
3)ウイルスが原因として起こる肺炎・誤嚥による誤嚥性肺炎は除く。
4)患者数が10名未満については、個人情報保護のため表示しておりません。(”-”(ハイフン)にて表示)

【A-DROPスコアについて】
以下の項目で構成されており、該当する項目が多いほど重症度が高くなります。

A(年齢):男性70歳以上、女性75歳以上
D(脱水):BUN 21mg/dl以上または脱水あり
R(経皮的動脈血酸素飽和度):SpO2<=90%(PaO2 60Torr以下)
O(意識障害):意識障害あり
P(収縮期血圧):収縮期血圧90mmHg以下


《解説》
上記の表は重症度の数値が高くなるにつれて、より重症な肺炎を表しています。

当院では患者数が最も多いのは重症となっておりました。
超重症も少なからず存在しています。
重症度が上がるごとに治療に日数が掛かり、平均年齢も高くなる傾向にあります。

高齢者の肺炎が増加しており、特に慢性呼吸器疾患をお持ちの患者さんは繰り返し肺炎に罹患される方もいらっしゃいます。
高齢で合併症を有する肺炎は重症化の危険性も高く、適切な抗生剤の使用や酸素投与などの支持療法が大切となります。また長期入院に伴う廃用性の筋力・体力低下を防ぐため、なるべく早期の理学療法(リハビリテーション)導入を心がけております。

脳梗塞の患者数等

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 - 19.50 38.50 50.00%
《集計・公開条件》
1)2024年6月から2025年5月に退院した患者において集計。
2)発症日から「3日以内」と、4日以上又は無症候性(発症日なし)を「その他」として集計。
3)患者数が10名未満については、個人情報保護のため表示しておりません。(”-”(ハイフン)にて表示)

《解説》
脳血管疾患は、全国の死因の上位に挙げられます。
脳梗塞は早期の治療が効果的とされ、早期の治療・リハビリテーションを開始することが重要です。

現在(2025年9月末時点)脳神経外科については外来診療のみとなっているため、入院治療が必要となる患者さんについては他医療機関と連携しご紹介をさせて頂いております。
そのため入院患者数は少なく、患者数が10未満となっているため表示しておりません。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内 科

Kコード 名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 105 0.63 1.14 0.00% 69.66  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 32 0.63 15.25 3.13% 76.97  
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 25 1.48 6.80 0.00% 61.44  
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 22 2.95 11.05 13.64% 74.00  
K654 内視鏡的消化管止血術 18 5.33 19.72 16.67% 67.61  
当科で最も多い手術は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(下部内視鏡)です。胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜)の上部内視鏡手術も施行しておりますが、上位5位には含まれておりませんでした。
次いで多い手術は、総胆管結石による胆管炎や胆道・膵腫瘍などによる閉塞性黄疸に対して行う治療で、内視鏡的胆道ステント留置術、内視鏡的乳頭切開術、内視鏡的膵管ステント留置術などを症例に応じて、組み合わせておこなっております。
次いで多い手術は、消化管出血に対しての内視鏡的消化管止血術になります。
また、胃瘻造設術、肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法なども行っております。その他、胃や食道・大腸の早期がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を早くから導入しており、高度な技術を要する手技ですが、身体に対する負担が少ない(低侵襲)というメリットがあり、力を入れて取り組んでおります。
 

小児科

Kコード 名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) - 0.00 131.38 12.50% 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) - 0.00 87.60 40.00% 0.00
当科での手術で最も多いのは、新生児仮死に対しての処置となっています。

集計年度では現れておりませんが、網膜光凝固術や壊死性腸炎の手術なども必要に応じて行っております。

当院では、総合周産期母子医療センターを有しており、未熟児の新生児疾患も多くあり、その手術・治療を行っております。

また必要に応じて、こども病院や大学病院などと連携し、最適な医療が提供できるよう努めております。
 

外 科

Kコード 名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 77 1.82 7.94 0.00% 64.16  
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 37 0.73 4.86 0.00% 62.76  
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 36 1.94 7.14 0.00% 71.47  
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 26 0.38 5.77 0.00% 42.77  
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 23 7.70 20.70 0.00% 72.70  
当院では診療ガイドラインの推奨を参考にして、身体への負担が少ない低侵襲的な治療など、患者さんの状態に合わせた治療が選択できるよう心掛けています。
内科との緊密な連携のもと、胃・十二指腸、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆のう・胆管などの消化器の悪性腫瘍(癌など)に対する手術にも力を入れています。手術療法のみならず、抗癌剤や放射線治療の組み合わせでの治療(集学的治療)を行い、計画的に治療を行っております。また虫垂炎や胆嚢炎等への緊急手術や、鼡径ヘルニア(脱腸)手術も積極的に対応しています。
乳腺領域では、乳腺専門医が常勤しており(2025年9月30日現在)、乳腺悪性腫瘍手術に力を入れています。乳房温存手術や形成外科との連携により乳房再建術も行っております。
 

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 94 1.70 36.31 58.51% 87.38  
K0811 人工骨頭挿入術(股) 71 1.82 34.27 54.93% 83.24  
K0462 骨折観血的手術(前腕) 45 1.82 12.89 2.22% 69.42  
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕) 26 0.85 3.35 0.00% 61.69  
K0463 骨折観血的手術(鎖骨) 19 1.84 12.53 5.26% 54.58  
当科では、骨折観血的手術や人工骨頭挿入術、骨内異物除去術が上位を占めています。

骨内異物除去術とは、初回手術時に骨の固定のために埋め込んでいたインプラントを取り除く手術になります。
骨内異物除去術は必ずしも行う必要はありませんが、異物感や違和感が残る場合に手術を行っています。

全体的に自宅以外の病院への転院率が高くなっております。これは当院が急性期病院のため、症状が安定した患者さんはリハビリに特化している回復期リハビリテーション病床等を有する病院へ転院していただいており、医療機能を分担し地域医療連携を積極的に図っているためです。

医療連携を大いに活用し、地域全体で患者さんにとってより良い選択・治療が出来るよう努めております。
 

形成外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K0081 腋臭症手術(皮弁法) 19 0.11 10.21 0.00% 36.05  
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 17 0.47 10.06 0.00% 36.59  
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上)(6歳以上) 15 0.67 4.67 0.00% 39.73  
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 11 0.82 6.82 0.00% 55.36  
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 10 0.20 2.80 0.00% 34.90  
当科で最も多い手術は、皮膚、皮下腫瘍摘出術となっております。この手術は腫瘍の大きさや体の部位によって細分化されているため、上記表に現れてないものも合計すると67件となっています。
入院期間は腫瘍の大きさや、露出部か露出部以外であるか、また合併症の有無によって異なります。

次いで、四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術は20件となっております。部位別では、躯幹、肩、上腕、下腿、大腿の順になっています。

その他の手術では、腋臭症手術、眼瞼下垂症手術、ガングリオン摘出術が続き、
これらの手術の他に、眼瞼内反症手術、乳房再建術、熱傷等にも力を入れております。
 

眼 科

Kコード 名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 87 0.00 1.01 0.00% 72.47  
K224 翼状片手術(弁の移植を要する) 0.00 1.00 0.00% 74.00  
K274 前房、虹彩内異物除去術 0.00 1.00 0.00% 72.00  
               
               
当科では、主に白内障の手術を行っています。
手術した日は眼帯をつけ、翌朝必ず診察が必要である為、一泊の入院をお願いしています。

また、両眼の手術の場合は、日常生活に著しく支障が出ないように、片眼ごとに日程をずらして行っていきます。
 

皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 22 0.14 11.73 0.00% 85.55  
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 0.11 4.22 0.00% 55.11  
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 0.14 3.00 0.00% 58.14  
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) 0.14 3.71 0.00% 54.57  
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 0.33 3.17 0.00% 50.67  
当科での入院手術は、主に皮膚腫瘍切除術(皮膚良性腫瘍が対象)と皮膚悪性腫瘍切除術(皮膚悪性腫瘍が対象)及び植皮や皮弁による再建を行っています。

皮膚腫瘍の診断は、臨床所見だけでなく、非侵襲性のダーモスコピー検査(※)、病理組織検査を用いて行っています。事前の診察で皮膚良性腫瘍が疑われた場合でも、必ず摘出した腫瘍の病理組織検査を行い、良性・悪性の確認および診断を行い、患者さんにご説明しています。

また、腫瘍摘出の前には、皮膚生検を行う事もあります。特に皮膚悪性腫瘍の場合は事前に皮膚生検を行う事で、組織型や悪性度を確認します。悪性度によって切除範囲が決まりますので、非常に重要な検査となります。

※ダーモスコピー検査:10~20倍の拡大像を観察する非侵襲性の診断機器です。悪性黒色腫や基底細胞癌などの診断に非常に有用で、高い診断感度が得られます。
 

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 69 1.10 4.32 0.00% 62.19  
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用) 25 1.00 8.84 0.00% 73.60  
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 22 0.55 1.55 0.00% 55.59  
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 21 2.71 6.62 0.00% 69.10  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - 0.40 13.40 0.00% 71.20  
当科で行っている手術の中で最も多いのは、尿路結石に対する手術です。その中でも特に多いのは、内視鏡を用いた経尿道的尿路結石除去術(レーザー)です。また、体外衝撃波による腎・尿管結石破砕術も多く、「安全・確実」の観点から内視鏡手術と体外衝撃波手術のどちらかを選択しお勧めしています。

次に多い手術は、膀胱癌に対する内視鏡的手術です。比較的身体への負担が少ない手術で、外来受診されてからできるだけお待たせせず手術計画を組むことを心がけています。

上記以外でも包茎・陰嚢の小手術から、前立腺肥大症手術、膀胱癌や前立腺癌に対する大規模手術まで多くの手術を行っています。
 

産 科

Kコード 名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K9063 子宮頸管縫縮術(縫縮解除術(チューブ抜去術)) 0.33 3.00 16.67% 33.83  
K9062 子宮頸管縫縮術(シロッカー法) 1.20 9.40 0.00% 33.80  
K9091イ 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) 0.20 0.80 0.00% 38.00  
K867 子宮頸部(腟部)切除術 0.00 1.00 0.00% 41.33  
K9061 子宮頸管縫縮術(マクドナルド法) 13.33 51.33 0.00% 38.67  
分娩は健康保険適用外の部分があるため、この全国統一の集計対象外となっています。よって上記表は産婦人科入院患者全体の約35%の30件数になります。

内訳としては、集計対象が50件、集計対象外が369件となっており、約7割は表示がされておらず大きく異なっておりますのでご留意願います。

当科で行っている全ての手術を集計してみますと、帝王切開術が249件と最も多く、2024年度の分娩件数563件のうち、約40%を占めています。

婦人科手術では、主に内膜ポリープなどに対する子宮鏡下手術等を行っています。

また、救急車やドクターヘリによる緊急母体搬送を2024年度は160件となっておりました。
県内の多くの異常妊娠分娩を取り扱っており、佐賀県の総合周産期母子医療センターとして大きな責務を果たしていると考えております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 0.12%
180010 敗血症 同一 14 0.35%
異なる 0.05%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる -
180040 手術・処置等の合併症 同一 11 0.27%
異なる - 0.05%
《集計・公開条件》
1)2024年6月から2025年5月に退院した患者において集計。
2)今回の入院における「入院の契機(きっかけ)となった病名」と「最も医療資源を投入した病名」が同一か、異なっていたかに分け患者数・発生率を集計。
3)発生率を算出する分母は全退院患者とする。
4)症例数が10名未満については、個人情報保護のため表示しておりません。(”-”(ハイフン)にて表示)

《解説》
・播種性血管内凝固は、がんや白血病、感染症などが悪化し、全身の血管に小さな血栓が無数に生じる病態で、腎臓や肺などの臓器障害を起こす全身性の重篤な病態です。
・敗血症は、感染症が全身の血管や組織に広がることで起こる全身性炎症反応の重症な病態です。
・手術・処置などの合併症は、手術や処置に伴い一定割合で発生してしまう術後出血や創部感染などの病態であり、医療ミスとは異なります。

重症な疾患である上記の傷病について、入院契機病名と医療資源を最も投入した傷病名の同一性の有無を区別して患者数と発症率を集計しております。

上表について、各項目の集計が10未満のものは表示しておりませんが、少なからず存在しております。

手術・処置等の合併症では、人工股関節のゆるみによる再置換術や脱臼による整復術。
自院術後の創部発赤や滲出液・膿瘍。予防接種後の発熱。そのほか他院からの紹介によるものが該当しておりました。

このカテゴリーについて、がんや感染症などで入院した後に、状態が悪化しこれらの傷病に至るケースは一定の確率で発生します。しかし、医療の質の観点から、少しでも入院中の発症を減少させることが望まれる傷病です。
当院では医療安全室や感染対策室などが中心となって、発生を防ぐよう日々努力しております。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、
肺血栓塞栓症の予防対策が
実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
605 535 88.43%

《集計・公開条件》
1)2024年6月から2025年5月に退院した患者において集計。
2)「自費診療を伴う分娩・帝王切開」や「労災」、「自賠責」適用など、「健康保険」以外で入院費を一部でも支払われた患者は集計対象外。
3)入院後24時間以内に死亡した患者、又は生後一週間以内に死亡した新生児、臓器移植を行った患者は集計対象外。
4)患者数が10名未満については、個人情報保護のため表示しておりません。(”-”(ハイフン)にて表示)

肺⾎栓塞栓症は血のかたまり(血栓)が肺動脈に詰まり、呼吸困難や胸痛を引き起こし突然死を引き起こす可能性のある極めて重篤な疾患です。⼤きな⼿術後や⻑期臥床の際に発症することが多いとされています。この予防対策として弾性ストッキングの着⽤や間歇的空気圧迫装置の使⽤、抗凝固薬療法があり、リスクレベルに応じて単独あるいは併⽤が推奨されています。当院では88.4%であり、該当の手術を受けられる患者様に対してリスクレベルに応じた予防策を実施しています。

血液培養2セット実施率

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1,480 1,050 70.95%

血液培養は1セットのみの場合に偽陽性による患者さんへの過剰治療を防ぐため、2セット以上の提出を行うことが推奨されています。
当院では7割以上の患者様に対し、2セット以上の血液培同定を実施しています。
 

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

広域スペクトルの
抗菌薬が処方された
退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬
使用時の
細菌培養実施率
110 94 85.45%

細菌培養検査は感染症の原因菌を特定するために実施します。広域抗菌薬を使用し続けると、耐性菌が増え、治療する選択の幅が少なくなります。抗菌薬投与前に細菌培養検査を実施することにより、病原微生物が耐性菌の場合にも効果のある抗菌薬を適正使用することが可能となります。当院では8割以上の患者様に対し抗菌薬投与前に検査を実施しています。

転倒・転落発生率

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
51,718 10 0.19%

入院中の転倒・転落は、慣れた住居と違う環境や、病気そのもの、治療や検査が身体に影響を及ぼすなど原因は様々です。職員が予防に全力を尽くしても、危険因子(転倒転落を引き起こす原因)を多く持つ患者さんにおいては、予防が困難な場合があります。発生した事例の追跡や発生原因の分析から必要な予防策・改善策を導き出すことができ、実践していくことで発生防止に取り組んでいます。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

退院患者の在院日数の
総和もしくは
入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント
影響度分類レベル
3b以上の発生率
- - -

「-(ハイフン)」は、10 件未満(小さい値)であり、良好な結果であると考えます。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
715 684 95.66%

予防的抗菌薬の投与タイミングは感染制御の効果に重要な影響を及ぼし、手術開始前 1 時間以内の投与が推奨されています。
当院では全身麻酔での手術を受けられる患者様に対し抗菌薬を投与する場合は、手術開始前1時間以内での投与を実施しております。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)
以上の褥瘡)の
発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)
以上の褥瘡発生率
- - -

「-(ハイフン)」は、10 件未満(小さい値)であり、良好な結果であると考えます。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
2,310 1,225 53.03%

当院ではほぼすべての患者様に対し、入院初日か翌日までには栄養評価スクリーニングを実施し、必要な患者様に対しGLIM基準による低栄養状態かどうかの判断、評価を実施しております。早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることで、在院日数の短縮や予後改善に取り組んでいます。

身体的拘束の実施率

退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
51,718 970 1.88%

身体的拘束は強い制限であり身体的障害を引き起こす可能性があるため、やむを得ない場合に限り一時的に行うべきものです。そのため、身体的拘束は最小限にとどめ、またできる限り早期に代替手段へ切り替える努力が必要となります。
当院ではやむを得ない状況に限り身体拘束を行っており、長期化を防ぐために拘束中は毎日の観察と判定を実施しております。また定期的なカンファレンスを通じて評価と検討を行い、早期解除に努めております。

更新履歴

2025年9月30日 2024年度版 病院指標を公開しました。